ポイント
出産の入院準備は、妊娠28〜34週ごろに始め、家族にもわかる場所に置いておきましょう。お産のときに使う陣痛バッグには、母子健康手帳、マイナ保険証(または資格確認書)、診察券、飲み物と軽食、ストロー、靴下やカイロを入れます。入院バッグには、前開きのパジャマ、授乳用ブラジャー、ショーツ、洗面用具、赤ちゃんの退院着とおくるみを入れます。産褥ショーツやナプキン、おむつは産院が用意することも多いので、産院のリストで確かめてください。
目次
チェックを入れながら準備できます。チェックした項目はこのブラウザに保存されます。
陣痛バッグと入院バッグは、妊娠の最後の数週間に少しずつ準備しておけます。済ませておけば、お産が始まった日に考えることがひとつ減ります。産院が用意してくれるものも多いので、大きな荷物はいりません。このチェックリストでは、書類、お産のときに使うもの、産後の入院生活に使うもの、赤ちゃんの退院用品、付き添う家族の持ち物をまとめました。日本の産院の資料をもとにしていますが、持ち物は産院ごとに違うので、最後は自分の産院のリストで確かめてください。
出産の入院準備は、いつから?
名寄市立総合病院は、荷物を28週ごろから準備し始め、家族にもわかるように整理しておくよう案内しています。日本赤十字社医療センターは、急な入院になっても慌てないよう、34週ごろには準備して、家族のわかるところに置いておくよう勧めています。愛媛県立中央病院の資料によると、ちょうど予定日に生まれる赤ちゃんはたった5%で、37週に入ったら毎日が予定日です。英国の国民保健サービス(NHS)も、予定日に生まれるのは20人に1人なので、予定日の3週間以上前には準備しておくよう勧めています。
米国産科婦人科学会(ACOG)は、準備したバッグを、玄関の収納や車のトランクなど、すぐ持ち出せる場所に置いておくよう勧めています。スマートフォンの充電器やめがねなど、直前に入れるものは、メモにしてバッグの上に貼っておくと忘れません。
あわせて、移動手段と連絡先も決めておきましょう。名寄市立総合病院は、入院するときの車の手配や、上の子のこと、留守中のことを家族と打ち合わせておくよう案内しています。愛媛県立中央病院は、昼と夜それぞれ誰が産院まで連れてきてくれるかを決め、家族が忙しい人は陣痛タクシーに登録しておくよう勧めています。夜間や休日の連絡先が平日と違う産院もあります(名寄市立総合病院)。産院の電話番号をスマートフォンに登録し、陣痛アプリを使うならアプリにも登録しておくと、陣痛が設定した目安に達したときのお知らせから、そのまま電話できます。目安は産院に合わせて自分で設定できます。計算のしくみはアプリの計算方法で説明しています。
図解
陣痛バッグと入院バッグ:ひと目でわかるポイント
-
いつ
妊娠28〜34週ごろ
- 名寄市立総合病院:28週ごろから準備を始める
- 日本赤十字社医療センター:34週ごろには準備する
- NHS:予定日の3週間以上前
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すぐ出せる場所に
書類
- 母子健康手帳
- マイナ保険証(または資格確認書)、診察券
- 入院の書類、出産育児一時金の書類、バースプラン
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陣痛バッグ
お産のときに使うもの
- 飲み物、軽食、ストロー
- 靴下、レッグウォーマー、カイロ
- 汚れてもよい服、室内履き
-
入院バッグと退院
産後と、帰り道
- 前開きのパジャマ、授乳用ブラジャー、洗面用具
- 赤ちゃんの退院着とおくるみ
- 自家用車ならチャイルドシートを取り付けておく
陣痛バッグと入院バッグの違い
日本赤十字社医療センターは、荷物をできるだけコンパクトにし、入院して使う物をすぐ出せるように分類して用意するよう勧めています。緊急のときは、スタッフが荷物を出すこともあるためです。同センターのリストも、入院するときと出産時に使うもの、産後に使うもの、退院するときに必要なもの、の3つに分かれています。
ここでは、お産のときに使うものを陣痛バッグに、産後の入院生活のものを入院バッグに分けています。陣痛バッグは小さめにして、陣痛が来たらすぐ持って出られるようにしておくと便利です。
書類と貴重品:すぐ出せるところに
書類は1つのファイルにまとめて、陣痛バッグのいちばん上に入れておきましょう。入院の手続きで、すぐに出すことになります(日本赤十字社医療センター)。
名寄市立総合病院と日本赤十字社医療センターの持ち物リストには「保険証」と書かれていますが、いまは医療機関の受付でマイナ保険証か資格確認書を見せることになっています(厚生労働省)。
陣痛バッグの中身:お産のときに使うもの
お産のときは、楽に過ごせて、動きやすいことが大切です。
日本の産院のリストから集めたものです(名寄市立総合病院、日本赤十字社医療センター、愛媛県立中央病院)。リップクリームはNHSのリストにもあります。分娩室に冷蔵庫がない産院もあります(日本赤十字社医療センター)。お産の最中に何を食べたり飲んだりしてよいかは、たくさん買い込む前に産院に確かめておきましょう。
入院前には、指輪やピアスなどのアクセサリーを外し、爪を短く切って、マニキュアやジェルネイルを落としておくよう案内している産院もあります。ジェルネイルは緊急のときにすぐ落とせないためです。化粧を落とし、コンタクトレンズを外してくるよう求めています(名寄市立総合病院)。
入院バッグの中身:産後の入院生活に使うもの
日本赤十字社医療センターと名寄市立総合病院のリストをもとにしています。母乳パッドとアイマスクはNHSのリストからです。パジャマやタオルは、有料のレンタルセットを用意している産院もあります(日本赤十字社医療センター、名寄市立総合病院)。
帝王切開の予定があるときは、次のものも加えます。
産褥ショーツと産褥パッドは産院で確かめる
産褥ショーツやナプキンは、産院によって用意されるものが違います。名寄市立総合病院では、お産用ナプキンセット(ナプキン、産褥ショーツ2枚など)を病院で用意し、着替え用に産褥ショーツを2〜3枚持ってくるよう勧めています。日本赤十字社医療センターは、産後すぐにはく産褥ショーツ1枚と産褥用ナプキンを渡し、産褥用ショーツは不要で、妊娠中のものでよいとしています。英国のNHSのリストでは、ナプキンは自分で2パック持っていきます。たくさん買う前に、自分の産院のリストを確かめましょう。
赤ちゃんのもの:退院のときに
入院中の赤ちゃんの肌着や紙おむつは、産院で用意されることが多いです(名寄市立総合病院、日本赤十字社医療センター)。退院のときに必要なものを用意しておきます。
日本赤十字社医療センターと名寄市立総合病院のリストをもとにしています。
退院の日のチャイルドシート
自家用車で帰るなら、チャイルドシートが必要です。日本赤十字社医療センターは、自家用車ではチャイルドシートの着用が法律で義務付けられていて、タクシーの場合は不要だと案内しています。米国小児科学会は、赤ちゃんは病院から帰る最初の移動から後ろ向きに乗せるよう勧めています。作動する助手席エアバッグのある前の席には、決して後ろ向きのシートを付けないよう注意しています。
ACOGも、陣痛が始まる前にチャイルドシートを用意し、正しく取り付けておくよう勧めています。数週間前に取り付けておけば、退院の日に駐車場でベルトの付け方に悩まずにすみます。
付き添う家族の持ち物
お産には時間がかかることがあります。ACOGによると、初めてのお産は12〜18時間ほどかかるのがふつうです。詳しくは陣痛の持続時間とお産の長さにまとめています。付き添う家族の準備も必要です。名寄市立総合病院の資料では、付き添う家族は一緒に呼吸法をしたり、食べたいものを買ってきたり、腰をマッサージしたり温めたりします。
NHSの付き添いの人向けリストをもとにしています。付き添いや立ち会いができるかどうか、何人まで入れるかは、産院に確かめておきましょう。
産院が用意してくれるもの
名寄市立総合病院では、お産用ナプキンセットのほか、入院中の肌着と紙おむつを病院で用意しています。入院生活のセット(病衣、タオル、歯ブラシ、コップなど)を使える産院でもあります。日本赤十字社医療センターでは、産褥ショーツ1枚、産褥用ナプキン、赤ちゃんのおしりふき、紙おむつ36枚入り2パック、おへそ用のアルコール綿を渡しています。
高価なものや、なくして困るものは持っていかないようにしましょう(日本赤十字社医療センター)。名寄市立総合病院は、入院中に紛失や破損があっても責任を負えないとして、アクセサリーを外してくるよう案内しています。
ここに挙げた2つの病院でも、用意されるものは違います。産院からもらうリストを確かめるか、両親学級や見学のときに聞いておきましょう。
準備が終わる前に陣痛が来たら
バッグが半分しかできていなくても、それを理由に産院への連絡を遅らせる必要はありません。足りないものは、あとから家族に届けてもらえます。お産が始まりそうなサインには、陣痛、破水、おしるしがあります(NHS)。破水したときは、破水の記事を見てください。
規則的な陣痛が来たら、産院から言われている目安に従います。日本の産院の目安の例は、産院に電話するタイミングにまとめています。陣痛の記録のつけ方は、陣痛の間隔の測り方で説明しています。
要注意サイン:陣痛の間隔に関係なく、すぐに電話を
次のどれかに当てはまるときは、陣痛のパターンを待たずに、昼でも夜でもすぐに産院や助産師に電話してください。このリストは、英国の国民保健サービス(NHS)と米国産科婦人科学会(ACOG)の案内に沿っています。こども家庭庁も、出血、破水、おなかの強い張りや痛み、胎動の減少があれば、すぐに産院に連絡するよう呼びかけています。
- 破水したとき。陣痛がまだなくても電話してください。
- 羊水に色がついている、またはいやなにおいがするとき。
- 腟から出血したとき。おしるしに少し血が混じるのはお産の始まりの一部のこともありますが、それより多ければ電話してください。
- 赤ちゃんの動き(胎動)がいつもより少ないとき。
- 陣痛の合間にもおさまらない、強い痛みが続くとき。
- 38℃以上の熱があるとき。
- 妊娠37週未満(36週6日まで)で、お産が始まったかもしれないと思うとき。
- 1回の陣痛が2分より長く続く、または10分間に6回以上の陣痛があるとき。
- 不安なとき、心配なとき。いつ電話してもかまいません。
強くいきみたい感じがあり、いまにも赤ちゃんが生まれそうなときは、すぐに救急車(119番)を呼んでください。
このリストの出典:NHS: Signs that labour has begun (2023);NHS: Pregnancy symptoms you need to get help for;ACOG: How to tell when labor begins;こども家庭庁:すこやかな妊娠と出産のために
よくある質問
陣痛バッグと入院バッグは分けるべきですか?
決まりはありませんが、分けておくと便利です。日本赤十字社医療センターは、荷物をできるだけコンパクトにし、入院して使う物をすぐ出せるよう分類して用意するよう勧めています。出産のときに着る服や、分娩直後に着る服は、すぐ出せるようにしておくと便利だとしています。お産のときに使うものを小さな陣痛バッグに、産後の入院生活のものを入院バッグに分けると、この形になります。
陣痛バッグの軽食には、何がおすすめですか?
愛媛県立中央病院は、痛みが強くなると食べにくくなるので、一口サイズのおにぎり、フルーツ、チョコレート、ゼリー飲料、糖分のある飲み物など、食べやすいものを用意しておくよう勧めています。名寄市立総合病院も、パンやおにぎりなど陣痛の合間に食べるものと飲み物を挙げています。ペットボトルにストロー付きキャップをつけると、寝たままでも飲みやすくなります。帝王切開の予定がある人は、食事をとらずに来院するよう案内している産院もあります(愛媛県立中央病院)。
出産の入院準備は、いつから始めればいいですか?
名寄市立総合病院は28週ごろから準備を始めるよう、日本赤十字社医療センターは34週ごろには準備するよう案内しています。愛媛県立中央病院によると、ちょうど予定日に生まれるのはたった5%です。英国のNHSも、予定日に生まれる赤ちゃんは20人に1人なので、予定日の3週間以上前には準備しておくよう勧めています。
産褥ショーツや産褥パッドは、何枚用意すればいいですか?
産院によって違います。名寄市立総合病院は、ナプキンや産褥ショーツ2枚が入ったセットを病院で用意し、ほかに着替え用の産褥ショーツを2〜3枚持ってくるよう勧めています。日本赤十字社医療センターは、産後すぐにはく産褥ショーツ1枚と産褥用ナプキンを渡し、ショーツは妊娠中のものでよいとしています。買いそろえる前に、自分の産院のリストを確かめましょう。
出産の入院に必要な書類は何ですか?
母子健康手帳、診察券、産院から渡された入院の書類(入院申込書や入院証書など)、出産育児一時金の直接支払制度の合意文書、バースプランなどです(名寄市立総合病院、日本赤十字社医療センター)。保険証は、2025年12月1日で従来の健康保険証の有効期限が終わったため、マイナ保険証か資格確認書を持っていきます(厚生労働省)。
退院のときにチャイルドシートは必要ですか?
自家用車で帰るなら必要です。日本赤十字社医療センターは、自家用車ではチャイルドシートの着用が法律で義務付けられていて、タクシーの場合は不要だと案内しています。米国小児科学会は、赤ちゃんは病院から帰る最初の移動から後ろ向きに乗せ、作動する助手席エアバッグのある前の席には決して後ろ向きのシートを付けないよう注意しています。陣痛が始まる前に取り付けておきましょう(ACOG)。
出典
- 名寄市立総合病院:入院時の準備と必要物品
- 日本赤十字社医療センター:出産時・入院の準備
- 日本赤十字社医療センター:分娩入院時の流れ
- 愛媛県立中央病院:お産の流れを知ろう
- 名寄市立総合病院:入院の時期・連絡方法
- 名寄市立総合病院:お産の経過
- 厚生労働省:資格確認方法について
- NHS:Pack your bag for labour
- NHS:Signs that labour has begun(2023)
- ACOG:How to tell when labor begins(2025)
- Better Health Channel, Victoria State Government:Pregnancy, packing for hospital(2023)
- American Academy of Pediatrics, HealthyChildren.org:Car Seats, Information for Families(2026)
この記事は、医師や助産師のアドバイスに代わるものではありません。迷ったときは、必ず産院や助産師に電話してください。緊急のときは119番で救急車を呼んでください。
