陣痛の計り方

陣痛の持続時間はどのくらい? 1回の長さと、陣痛から出産までの時間

ポイント

陣痛の持続時間は、お産が進むにつれて長くなります。名寄市立総合病院の目安では、子宮口0〜3cmで20〜30秒、4〜7cmで30〜40秒、8〜10cmで40〜60秒、全開になってからは60〜90秒です。陣痛開始から子宮口が全開になるまでは初産で約10〜12時間、経産で約4〜6時間が目安で、日本赤十字社医療センターは初めてのお産を半日から1日程度としています。1回の陣痛が2分より長く続くときは、すぐ産院に電話してください(NHS)。

目次
  1. 陣痛の持続時間は1回何秒?
  2. お産の始まり(潜伏期)は数時間から、ときには数日
  3. 活動期はいつから? どのくらい続く?
  4. いきむ時間と、胎盤が出るまでの時間
  5. 陣痛から出産まで、平均何時間?
  6. 自分の陣痛を計るには

陣痛の持続時間、つまり1回の陣痛が始まってからおさまるまでの長さは、お産が進むにつれて長くなります。名寄市立総合病院の資料では、お産の始まりのころは1回20〜30秒ほどで、子宮口が全開になってからは60〜90秒が目安です。陣痛から出産までにかかる時間は、これとは別に考えます。同じ資料では、陣痛開始から子宮口が全開になるまでが初産で約10〜12時間、経産で約4〜6時間です。どちらも個人差が大きく、名寄市立総合病院も「時間はあくまで目安」としています。

陣痛の持続時間は1回何秒?

持続時間は、陣痛が始まってからおさまるまでを計ります。間隔は、陣痛が始まってから次の陣痛が始まるまでです(Cleveland Clinic)。名寄市立総合病院は、陣痛が来たかなと思ったら、お腹をさわって痛みの間隔と持続する時間をはかってみるよう案内しています。

同じ病院の資料にある、お産の段階ごとの目安です。

お産の段階子宮口の開き1回の持続時間陣痛の間隔
分娩第1期:準備期0〜3cm20〜30秒8〜10分ごと
分娩第1期:進行期4〜7cm30〜40秒4〜7分ごと
分娩第1期:極期8〜10cm40〜60秒2〜3分ごと
分娩第2期10cm(全開)60〜90秒1〜2分ごと

海外の資料では、数字が少し違います。米国のCleveland Clinicは、お産の始まりの陣痛を20〜30秒(30〜60分おき)、活動期の陣痛を40〜70秒(3〜5分おき)、分娩第2期の陣痛を60〜90秒ほど(2〜5分おき)としています。段階ごとの目安を図にしたものと、印刷できる記録用紙は陣痛の記録表にあります。

1回の長さだけでは、お産が進んでいるかどうかはわかりません。米国産科婦人科学会(ACOG)によると、本当の陣痛は規則的に来て、時間がたつにつれて間隔が縮まり、だんだん強くなっていきます。何回か続けて計って、その変化を見てください。

図解

陣痛1回の持続時間

  1. 準備期(子宮口0〜3cm) 20〜30秒

  2. 進行期(4〜7cm) 30〜40秒

  3. 極期(8〜10cm) 40〜60秒

  4. 分娩第2期(全開から誕生まで) 60〜90秒

名寄市立総合病院の目安(上の表)をもとにした図です。資料によって数字は少しずつ違い、個人差も大きいです。

お産の始まり(潜伏期)は数時間から、ときには数日

お産の始まりは潜伏期とも呼ばれ、子宮口がやわらかくなって開き始める時期です。英国の国民保健サービス(NHS)は、不規則な陣痛を感じ始めてから本格的なお産になるまで、何時間も、ときには何日もかかることがあり、ふつうはお産でいちばん長い段階だとしています。

日本の資料も、この時期は長いと説明しています。国立成育医療研究センターによると、陣痛は10分間隔になった時点で始まったとされますが、子宮口が3〜4cmに開くまでの時間は長く、個人差はあるものの通常は10時間ほどかかります。同センターの資料にあるフリードマン曲線では、潜伏期が初産で20時間、経産で14時間を超えると「潜伏期超過」とされます。Cleveland Clinicも、お産の始まりの典型的な長さを6〜12時間とし、初産で20時間、経産で14時間を超えると長引いているとみなしています。

ACOGが2024年に出したガイドラインは、区切り方が少し違います。米国家庭医学会の雑誌(AAFP)の要約によると、潜伏期の長さは初産か経産かにかかわらずさまざまで、16時間を超えると長引いているとみなされます。英国の国立医療技術評価機構(NICE)は、潜伏期を「連続しているとは限らない期間」と定義しています。

この時期の過ごし方として、名寄市立総合病院は次のことを挙げています。

  • 楽な姿勢でリラックスし、眠れるなら陣痛の合間に眠る
  • 破水していなければ、シャワーや入浴もできる
  • 散歩などで気分を変える。休憩しながら無理のない範囲で動くと、お産の進行が促される
  • できるだけ水分や食事をとる
  • トイレをがまんしない

NHSも、本格的なお産に備えて食べたり飲んだりしておくこと、夜に始まったら楽にして眠れるなら眠ること、昼間なら体を起こしてゆるやかに動くことを勧めています。呼吸法やマッサージ、温かいお風呂やシャワーも、痛みを和らげるのに役立つとしています。

本格的なお産になる前に痛みで受診した人について、NICEは、子宮口に変化がなくても陣痛が痛いことはあると認め、一人ひとりに合った支えと、必要なら鎮痛を提供するよう医療者に求めています。この時期の痛みの感じ方は陣痛はどんな痛みで説明しています。

活動期はいつから? どのくらい続く?

活動期がいつ始まるかは、ガイドラインによって違います。NICEは、規則的な陣痛があり、子宮口が4cmから進んで開いていく時期を本格的なお産としています。ACOGの2024年のガイドラインは、活動期の始まりを子宮口6cmとしています(AAFP)。名寄市立総合病院の資料は、分娩第1期を準備期(0〜3cm)、進行期(4〜7cm)、極期(8〜10cm)に分けています。国立成育医療研究センターによると、子宮口が4〜6cmに開くころには陣痛が3分おきになり、そこからお産は急速に進みます。

どのくらい続くかは、どこから数えるかで変わります。

  • 名寄市立総合病院:10分ごとの規則的な陣痛から子宮口が全開になるまで(分娩第1期全体)が、初産で約10〜12時間、経産で約4〜6時間。
  • NICE:子宮口4cmから数えて、初産は平均8時間で、18時間を超えることはあまりない。2人目以降は平均5時間で、12時間を超えることはあまりない。
  • NHS:本格的なお産の始まりから子宮口全開まで、初産でふつう8〜18時間。2人目や3人目では5〜12時間ほどのことが多い。
  • Cleveland Clinic:子宮口6cmごろから数えて、活動期はふつう4〜8時間。

Cleveland Clinicは、活動期の陣痛は話したり歩いたりできないほど強く感じることがあるとしています。それぞれの段階で何が起こるかは出産の流れで説明しています。

いきむ時間と、胎盤が出るまでの時間

分娩第2期は、子宮口が全開(10cm)になってから赤ちゃんが生まれるまでです。名寄市立総合病院の目安は、初産で約1〜2時間、経産で約30分〜1時間です。国立成育医療研究センターも、全開から誕生までを初産で平均1時間、経産で平均30分ほどとしています。NHSは、いきむ段階は初産なら3時間以内、経産なら2時間以内としています。Cleveland Clinicは、初産で3時間(硬膜外麻酔を使っているときは4時間)、経産で2時間(同じく3時間)を超えると、長引いているとみなすとしています。

分娩第3期は、赤ちゃんが生まれてから胎盤が出るまでです。名寄市立総合病院の目安は、初産・経産とも約10〜20分です。NHSによると、胎盤を早く出すための注射をした場合、胎盤はふつう生まれてから30分以内に出ます。注射をしない場合は、胎盤がはがれるまでに1時間かかることもありますが、押し出すのはたいてい数分です。

陣痛から出産まで、平均何時間?

日本赤十字社医療センターは、初めてのお産では、赤ちゃんが生まれるまでに半日から1日程度かかるといわれている、としています。薩摩川内市の子育て情報サイトは、あくまで平均として、初産で10〜12時間、経産で5〜8時間ほどとしています。国立成育医療研究センターによると、経産の陣痛開始から分娩完了までの時間は、初産の半分程度といわれています。

海外の資料では、ACOGがお産の長さを初産でふつう12〜18時間、経産で8〜10時間としています。Cleveland Clinicは、初産の平均を12〜24時間、2人目以降を8〜10時間と、やや幅広く示しています。こうした合計は、どの時点をお産の始まりと数えるかで大きく変わります。潜伏期の陣痛は続いたり遠のいたりするので(NICE)、始まりの時点は決めにくいものです。ACOGは、自分のお産が母親や姉妹、友人のお産と同じとは限らず、子どもごとに違うこともあるとしています。

段階子宮口初産経産出典
分娩第1期10分ごとの陣痛から全開(10cm)まで約10〜12時間約4〜6時間名寄市立総合病院
分娩第2期全開から誕生まで約1〜2時間約30分〜1時間名寄市立総合病院
分娩第3期誕生から胎盤が出るまで約10〜20分約10〜20分名寄市立総合病院
お産全体すべての段階12〜18時間8〜10時間ACOG

自分の陣痛を計るには

いまどの段階にいるかを知るには、何回か続けて陣痛を計ります。やり方は陣痛の間隔の測り方で説明しています。Contraction Timerアプリは、持続時間と間隔を計り、直近1時間の平均を表示します。数字の出し方は陣痛カウンターの使い方としくみにまとめました。

電話の目安は産院ごとに違います。名寄市立総合病院は、初産なら1時間に6回以上または10分ごと、経産なら10〜15分ごとの陣痛を目安にしています。愛媛県立中央病院は、初産が5〜7分間隔、経産が10分間隔です。米国のCleveland Clinicは、5分おきの陣痛が1時間以上続いたら連絡するよう案内しています。アプリでは、5-1-1や4-1-1の目安のほか、産院から言われた目安を自分で設定できます。どの目安を使うかは、出産予定日の前に妊婦健診で確かめておきましょう。名寄市立総合病院や愛媛県立中央病院は、電話は本人からかけるよう求めています。

1回の陣痛が2分より長く続くとき、10分間に6回以上の陣痛があるときは、間隔の目安を待たずにすぐ産院に電話してください(NHS)。電話のタイミングは産院に電話するタイミングで詳しく説明しています。

要注意サイン:陣痛の間隔に関係なく、すぐに電話を

次のどれかに当てはまるときは、陣痛のパターンを待たずに、昼でも夜でもすぐに産院や助産師に電話してください。このリストは、英国の国民保健サービス(NHS)と米国産科婦人科学会(ACOG)の案内に沿っています。こども家庭庁も、出血、破水、おなかの強い張りや痛み、胎動の減少があれば、すぐに産院に連絡するよう呼びかけています。

  • 破水したとき。陣痛がまだなくても電話してください。
  • 羊水に色がついている、またはいやなにおいがするとき。
  • 腟から出血したとき。おしるしに少し血が混じるのはお産の始まりの一部のこともありますが、それより多ければ電話してください。
  • 赤ちゃんの動き(胎動)がいつもより少ないとき。
  • 陣痛の合間にもおさまらない、強い痛みが続くとき。
  • 38℃以上の熱があるとき。
  • 妊娠37週未満(36週6日まで)で、お産が始まったかもしれないと思うとき。
  • 1回の陣痛が2分より長く続く、または10分間に6回以上の陣痛があるとき。
  • 不安なとき、心配なとき。いつ電話してもかまいません。

強くいきみたい感じがあり、いまにも赤ちゃんが生まれそうなときは、すぐに救急車(119番)を呼んでください。

このリストの出典:NHS: Signs that labour has begun (2023);NHS: Pregnancy symptoms you need to get help for;ACOG: How to tell when labor begins;こども家庭庁:すこやかな妊娠と出産のために

よくある質問

陣痛1回の持続時間は、どのくらいですか?

お産の段階によって変わります。名寄市立総合病院の目安では、子宮口0〜3cmの準備期で20〜30秒、4〜7cmの進行期で30〜40秒、8〜10cmの極期で40〜60秒、子宮口が全開になってからは60〜90秒です。米国のCleveland Clinicは、お産の始まりで20〜30秒、活動期で40〜70秒としています。

陣痛から出産まで、平均で何時間かかりますか?

日本赤十字社医療センターは、初めてのお産では赤ちゃんが生まれるまでに半日から1日程度かかるといわれている、としています。名寄市立総合病院の目安では、陣痛開始から子宮口全開までが初産で約10〜12時間、経産で約4〜6時間で、そこから誕生までが初産で約1〜2時間、経産で約30分〜1時間です。ACOGは、お産の長さを初産でふつう12〜18時間、経産で8〜10時間としています。

初産と経産で、出産にかかる時間はどのくらい違いますか?

国立成育医療研究センターによると、経産の陣痛開始から分娩完了までの時間は、初産の半分程度といわれています。名寄市立総合病院の目安では、分娩第1期が初産で約10〜12時間、経産で約4〜6時間です。英国のNICEは、子宮口4cmから数えて、初産は平均8時間、2人目以降は平均5時間としています。

陣痛が2分以上続くことはありますか?

お産の終わりのほうでも、1回の陣痛はふつう60〜90秒です(名寄市立総合病院、Cleveland Clinic)。英国の国民保健サービス(NHS)は、1回の陣痛が2分より長く続くとき、または10分間に6回以上の陣痛があるときは、すぐ産院に電話するよう案内しています。夜中でも、翌日まで待たずに電話してください。

お産の始まり(潜伏期)は、どのくらい続きますか?

NHSは、何時間も、ときには何日もかかることがあり、ふつうはお産でいちばん長い段階だとしています。国立成育医療研究センターによると、子宮口が3〜4cmに開くまでには通常10時間ほどかかります。同センターの資料(フリードマン曲線)とCleveland Clinicは、初産で20時間、経産で14時間を超えると長引いているとみなすとしています。

いきむ時間(分娩第2期)は、どのくらいですか?

名寄市立総合病院の目安は、初産で約1〜2時間、経産で約30分〜1時間です。国立成育医療研究センターは、子宮口全開から誕生までを初産で平均1時間、経産で平均30分ほどとしています。NHSは、いきむ段階は初産なら3時間以内、経産なら2時間以内としています。

出典

  1. 名寄市立総合病院:お産の経過
  2. 名寄市立総合病院:入院の時期・連絡方法
  3. 愛媛県立中央病院:お産の流れを知ろう
  4. 日本赤十字社医療センター:身体の変化と入院の時期
  5. 国立成育医療研究センター:おしるし、破水、陣痛について
  6. 国立成育医療研究センター:分娩開始から赤ちゃんが産まれるまで(産科医療まるわかりガイド 付録)
  7. 薩摩川内市(さつませんだい こそだてサポートネット):陣痛ってどんな感じ?
  8. NICE:Intrapartum care, guideline NG235(2023, updated 2026)
  9. NHS:The stages of labour and birth(2023)
  10. NHS:Signs that labour has begun(2023)
  11. Cleveland Clinic:Contractions(2024)
  12. Cleveland Clinic:Stages of Labor(2025)
  13. ACOG:How to Tell When Labor Begins, patient FAQ(reviewed 2025)
  14. AAFP (American Family Physician):Labor Management: Guidelines From the American College of Obstetricians and Gynecologists(2025)

この記事は、医師や助産師のアドバイスに代わるものではありません。迷ったときは、必ず産院や助産師に電話してください。緊急のときは119番で救急車を呼んでください。

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